5 物件査定について理解しよう!

概要

 

不動産仲介業において物件査定の内容を理解して

いなければ、売り物件を取り扱うことができませ

ん。

 

売り物件を取り扱うことができれば、不動産業者

として競合他社に有利に活動を進めることができ

ます。

 

売り物件を取り扱うことは自社でしか取り扱うこ

とのできない物件を持てること、アドバンテージ

を持てる事、両手を狙いやすいという事になりま

す。

 

是非査定についてよく理解して、スムーズに媒介

契約を結べるようにしておきましょう!

 

 

物件査定の定義

 

査定の準備に入る前に査定の定義などをしっかり

理解しておきましょう。

 

一般的に行う査定(買い取り査定を除く)は明確

な定義があります。

 

それは、

 

「一般的な市場で、概ね3か月以内で、売却できる

であろう予想金額」です。

 

ああくまで予想であって、結果としては売却でき

なかったとしても法的には責任は問われません。

 

ただし、不動産のプロとして道義的責任が問われ

る場合があります。

 

例えば、買い替えなどで先に物件を購入し、あと

から売却するパターンで、売却していても売れな

い売れた金額が査定金額よりはるかに低かったな

どの場合、「あなたの査定を信じて買い替えを決

断したのにどうしてくれるんだ」となってしまう

ことがあります。

 

この場合法的な責任はなくても道義的な責任が発

生します。

何らかの対応はせざる得ないでしょう。

 

また、査定は査定方法があり、そのやり方にのっ

とって算出されると思われがちですが、実際はそ

うではありません。

 

ほとんどの場合プロである業者(営業)は最初か

ら答え(査定金額)が分かっており、その答えにな

るよう、式を作っていくのが実情です。

 

4種類の査定価格

 

1.希望価格

お客様が考えている理想の価格

 

2.意見価格

不動産業者が物件調査の上、市場動向を勘案して査定した価格

 

3.売り出し価格

お客様が不動産業者と相談したうえで決定した市場への公開価格(媒介価格)

 

4.成約価格

売主と買主が合意し、実際に取引された価格

 

査定の準備

 

査定の準備実査定に訪問する際には、様々な準備

が必要になりますが、その前に訪問の目的をしっ

かり認識しなければなりません。

 

そのエリアのプロであれば、ある程度の査定金額

は既に分かっているはずです。

 

その確認と内装の程度や物件に、何か査定金額に

影響を及ぼす問題点はないか!?を確認する程度

で査定は終わるはずです。

 

しかし、査定の本当の目的は媒介の取得です。

 

4種類の査定価格

 

訪問前に調査を行う時間があれば、事前にある程

度の調査は行ってください。

 

これにより、場合によっては現地で調査しなくて

はいけない項目が発生することもあります。

 

それをしっかり把握し、実査亭の際は現地にて確

認します。

 

A)航空図による物件・周辺の確認・と現地及び周辺施設の確認

 

B)法務局での資料取得と、資料と現地の整合性の確認(登記簿謄本・公図等)

 

C)市役所・区役所等での法令上での制限の調査(道路・建築基準法)

 

D)電気・ガス・水道・下水道等の施設の調査(配管状況)

 

調査とは別に実査定訪問時にはその目的(媒介取

得)を達成するために必要と思われるものを準備

します。

査定面談時前の準備資料

 

1.査定書

 

2.概算の残債を把握する(所有者に伺う、または謄本から読み取る)

 

3.過去の成約事例を確認する

 

4.理想の取得額・相場観・高取り額・買取金額をあらかじめ想定しておく

 

 

査定面談前の持参資料

 

1.お客様ヒアリングシート

 

2.媒介契約書

 

3.査定書・過去成約事例

 

4.謄本(現状の所有者・残債・平米等の把握のため)

 

5.不動産売却アプローチブック

 

6.路線価

 

訪問査定

 

査定訪問時の注意点

 

正式に売却が決まるまでは不動産会社の人間が家

に出入りしているという事を近隣に知られたくな

いというお客様がいらっしゃいます。

 

できれば訪問前に車に社名の入っている営業車、

株式会社〇〇不動産ゴールデンジャケットの着用

などで訪問する場合は許可を取っておくことが望

ましい。

 

万一聞けなかった場合はどちらも避けた方が良い

かもしれません。

 

訪問

 

お客様の家の中に入ったらまずは一通り見せてい

ただく事にします。

 

先に着席を促されるケースもありますが、できる

だけ先に拝見済ます。

 

なぜなら、内見した情報でヒアリングしなくては

いけないことがあるとともに、何よりゆっくり話

が出来る場を最後に持って行った方が有利だから

です

 

内見の際は、室内の保守状況などを中心に何か大

きな問題がないか合わせてみます。

 

その段階であなたの頭の中では概ねいくらで売れ

るだろうという査定金額が算出されるはずです。

 

一通り拝見し、査定金額の目安が分かったら、少

しお話をよろしいでしょうか?と投げかけ、着席

します。

 

 

売却査定3タイプのお客様

 

ここで大きくお客様のタイプを大きく3つに分け

てします。

 

そのタイプによって、そのように攻めるかを決

めなければなりません。

 

1.純粋に現地(室内を含む)を見てもらった上で、

正式な定金額を記載した報告書を希望しており、

それをもとに今後どうするか決めようと考えてい

る方。

⇒必要事項をヒアリングの上、別途正式な報告書

を持参する旨を伝え、次回アポイントの取得(次

回報告時が勝負)

 

2.現地(室内含む)を見てもらった上で正式な査

定金額を記載した報告書の作成を希望しているが、

純粋に今の資産価値を知りたいだけで、現段階で

は売却の意思がない方。

⇒必要事項をヒアリングの上、別途正式な報告書

を持参する旨を伝え、次回アポの取得。次回訪問

時には今売却するメリットなどを伝え媒介取得を

目指すが、本当に売却の意思が無ければ、長期フ

ォローリストへ。

 

3.査定依頼したものの、正式な書面(査定報告書)

にこだわっているのではなく、自分が納得できれ

ば、その場で売却の依頼をしてもかまわないと思

っている方。

⇒その場で媒介の取得が出来るよう、一気にクロ

ージングします。

 

 

この3つのどのパターンかは当初は分かりません。

そこで、お話をして行く中でそれを見極め、媒介

が取れるのではと感じた場合、その場での媒介取

得を目指し、最大限努力をしなければなりません。

 

ただし、お客様の言葉を鵜呑みにしてはいけま

せん。現段階での売却の意思はないといっても、

それが本当かどうかの見極めは必要です。

 

 

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